前回、2020年10月末時点における国籍別及び産業別外国人労働者数の状況をおつたえしましたが、今回は、各産業における外国人雇用の傾向や対処法などについてご紹介していきます。
まずは 製造業からです。
製造業では、外国人労働者の雇用に関しては、大きく分けて二つの人材確保戦略があると思ってください。
一つは、ある程度の規模を有する企業が自社の生産工場の海外移転や海外支社の運営に伴って雇用する外国人労働者で、「人財戦略型の採用」です。
もう一つは、中小企業・小規模企業における労働力不足を補うために外国人労働者を雇用する、「人的資源調達型の採用」です。
人財戦略型の採用
「人財戦略型の採用」では、製造業における価格競争力を高めるため(製造コストを下げるため)生産工場を海外に移したり、海外での情報収集や販路拡大、生産管理の為に海外管理部門や海外支社なの開設のために、海外現地での責任者などを現地の人材でまかなう為に日本で技能実習などの制度を利用して、日本に呼び寄せて技術や日本的管理体制等の習得をしてもらう為の雇用です。
「人財戦略型の採用」では、技能実習ビザや技術・人文知識・国際業務ビザで外国人労働者を雇用するパターンが多いです。
人的資源調達型の採用
「人的資源調達型の採用」では、日本国内の製造現場における人手不足を解消するための雇用です。大小さまざまな規模の企業、工場規模で多く採用されているパターンです。
中小企業・小規模企業の製造現場では、元請け会社や親会社からの厳しい価格設定を提示されたり、外国からの輸入製品との価格競争、原料単価や製造コストの値上がりなど、製品を製造するために多くの問題が山積みになっています。
少しでも製造コストを下げる為に日々経営者・工場管理者は頭を悩ませている事でしょう。そして、製造コストで大きな比率を占めるのが製造人件費です。この製造コストを少しでも下げる為に外国人労働者を雇用している工場・企業も多いのが現実です。
製造業の現場における外国人労働者の活躍の場は、製造ラインでの作業スタッフです。
製造業と言っても、電気製品や機械製品、洋服や小物、飲料に食料品と様々な製造業があります。その多様な製造業における外国人労働者の雇用傾向や活用方法を一括りで無理がありますが、多種多様の製造業の製造現場における外国人労働者の一番の活躍分野は製造ラインでの仕事(流れ作業的な仕事)が大部分を占めています。
ただ、「製造ラインでの流れ作業的な仕事」は単純作業と判断されてしまう事があります。外国人を雇用する場合、単純作業の為に雇用するのは原則禁止となっています。この単純作業禁止に関しては次回の”外国人労働者の人的資源調達型採用における注意点”について説明をしますので、ここでは割愛いたします。
よって、製造業のラインで働いている外国人労働者の多くは「技能実習」というビザか「特定技能」というビザを有して働いています。この「技能実習」とか「特定技能」とかのビザの種類の説明は別の機会でご説明いたします。
また、「人的資源調達型の採用」では日本人の採用が難しいので、外国人労働者を雇用しているというケースも多いです。この ” 日本人の採用が難しい ” というのは、製造業に限らずどの産業でも共通している課題ですが、企業側の雇用条件に日本人求職者の就労希望条件が満たされない為に求人活動をしても応募が無いので外国人労働者を雇用しているケースと、採用した日本人労働者は直ぐに辞めてしまうので外国人労働者を雇用しているケースの２パターンがあります。
どうして日本人の採用が難しいのか
経済的に豊かになった日本において、生活水準が高くなった事、多様な生活スタイルがある事、ワークライフバランスなどの浸透により仕事重視の人生から仕事とプライベートの時間の調整・調和を図る生活スタイルを重要視する人が多くなった事などの様々な環境変化によって、仕事と生活に対する価値観が多様化される世の中になりました。
それにより、【企業側の製造コストを下げながらも人手不足を解消したいというニーズ】 と 【求職者側の沢山の給料を貰いたい・休日が多い仕事がいい・残業はしたくない、残業はできない・日曜祝日は休みたいというニーズ】 との不一致によって日本人の採用が難しいという課題を生み出しています。
このような求人求職市場の事情により、外国人労働者を雇用するという選択肢が中小企業・小規模企業の製造現場で広がっています。
＞＞＞次回 ”外国人労働者の人的資源調達型採用における注意点”についてご紹介いたします。
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株式会社 エアーパス（AIRPASS Co.,Ltd.）
■1号特定技能外国人登録支援機関(19登-000586)
SSW Support Organization(Immigration Reg.#19登-000586)
■有料職業紹介(22-ユ-300633)
Manpower Placement Agency(Reg.#22-ユ-300633)
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