宿泊業で外国人労働者が活躍できる場は?

宿泊業(ホテル・旅館)で外国人労働者が活躍できる業務といいますと、「フロント業務における外国人観光客の対応」が一番わかりやすい仕事でしょう。

フロント業務における外国人観光客の対応

過去の業種でも時折触れましたが、
「どうして外国人労働者を雇用するのか?」
「日本人ではなく外国人を雇用する理由や目的は何か?」
という自社の業務において外国人労働者の必要性を明確にしておくことは非常に大切です。

宿泊業(ホテル・旅館)においては、日本へ観光目的で来日する外国人観光客は年々増加傾向です。現在は、コロナの影響によって海外からの観光客は入国できないので状況は異なっていますが、宿泊業(ホテル・旅館)において、自社の宿泊客に外国人観光客又はビジネス利用外国人が増加したことにより、英語や中国語など日本語以外の言語での対応の必要性が生じているのであれば、外国人労働者の雇用を検討する事もありでしょう。

就労可能な外国人労働者は?

当たり前の話しですが外国人が日本で働く場合、その外国人が「就労可能なビザを持っている事」が大前提になります。

宿泊業(ホテル・旅館)で働く外国人労働者はフロント業務や企画・広報を担当する事が殆どだと思いますが、フロント業務は未経験者やホテル業務の知識が無い人がフロント業務を行うのはほとんど無理でしょう。よって、
 ・過去にホテルで働いていた経験を有する人
 ・専門学校などでホテル業などを専門的に学んできた人
が対象者になります。

ですので、宿泊業(ホテル・旅館)で働く外国人労働者が所有する就労可能なビザは
 ・技術人文知識国際業務
 ・特定技能
の2種類に限定されることになります。

外国人労働者雇用の注意点

宿泊業(ホテル・旅館)の方々は外国人労働者を雇用する場合、外国人労働者にしてもらう業務内容・役割・区分に気を付けなければなりません。

技術人文知識国際業務のビザを有する外国人労働者の場合は、「専門的な知識」と「外国人だから必要」という要件や必要性があるから、宿泊業において働く外国人労働者に技術人文知識国際業務のビザが与えられたことになります。よって、宿泊業(ホテル・旅館)におけるメイン業務が対象と思ってください。具体的には下記の業務です。
 ・フロント業務
 ・企画、広報業務
 ・接客業務(外国人への対応)
しかし、宿泊業(ホテル・旅館)にはこれらメイン業務だけではなく、各種サブ的な業務もありサブ的な業務もしっかりと管理運営されることによって、宿泊業(ホテル・旅館)は稼働できます。

しかし、技術人文知識国際業務のビザを有する外国人労働者はメイン業務を担当してもらう為に雇用する訳ですし、入管にビザ申請をする際に提出する「外国人が担当する業務内容」にはフロント業務などのメイン業務を担当してもらうと記載して申請をした筈です。入管法においては、申請内容と合致した業務内容を外国人労働者に担当させなければならず、申請内容の範囲を超えて業務をさせた場合や申請内容とは違う内容の業務をさせた場合は「偽装就労」となりますので注意しましょう。

サブ業務をしてもらうには

宿泊業(ホテル・旅館)では上記のメイン業務だけではなく、各種サブ的な業務もあります。例えば、下記のような業務です。
 ・施設内の売店での販売業務
 ・備品の点検や交換業務
 ・施設館内の清掃
 ・ルームメイキング、ベッドメイキング
 ・レストラン

サブ的業務を外国人労働者に担当してもらいたいと思った場合

これらのサブ的業務を外国人労働者に担当してもらいたいと思った場合は、技術人文知識国際業務ビザではなく特定技能ビザを有する外国人労働者を雇用する必要があります。

特定技能ビザは、純粋に「人手不足解消の為のビザ」です。よって、技術人文知識国際業務のビザを有する外国人労働者が担当するメイン業務+サブ業務も業務範囲内になり、日本人スタッフが通常従事することとなる業務と同等の業務を担当することが可能です。

ただし、「全て日本人と同じ」という訳ではありません。館内売店での販売,館内備品の点検・交換等の業務は、あくまでも「メイン業務に付随するサブ業務」ですし、「サブ業務同士でも関連しあう業務」です。よって、「清掃のみ」とか「ベッドメイキングのみ」といったサブ業務の一部分をメイン業務として従事してもらうというのはNGです。

また、サブ的業務としてホテル・旅館内施設等における「接待を伴う飲食サービス」もNGです。特定技能ビザを有する外国人労働者に風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」業務をさせる事はできません。例えば、ホテル内のクラブなどでの接待を伴う飲食サービスやコンパニオンサービスのように、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす業務です。

ホテル・旅館内施設等における「接待を伴う飲食サービス」もNGです

全ての宿泊分野で外国人を雇える訳ではない

特定技能ビザを有する外国人労働者を雇用できる宿泊業(ホテル・旅館)は、旅館・ホテル営業の許可証を取得している必要があります。よって、簡易宿所営業(ペンション、民宿、キャンプ場、ゲストハウス等のこと)や下宿営業、民泊は対象外になりますし、カプセルホテル・ユースホステル・ラブホテルも対象外になりますのでご注意ください。


>>>次回 ”飲食業における外国人雇用の傾向”についてご紹介いたします。

////////////////////////////////////////////////////////////
株式会社 エアーパス(AIRPASS Co.,Ltd.)
■1号特定技能外国人登録支援機関(19登-000586)
  SSW Support Organization(Immigration Reg.#19登-000586)
■有料職業紹介(22-ユ-300633)
  Manpower Placement Agency(Reg.#22-ユ-300633)
////////////////////////////////////////////////////////////